「すずめ」の語源は?鳴き声「スズ」と群れを表す「メ」のなりたち
もっとも身近な野鳥「すずめ」
スズメは、人里に暮らすもっとも身近な野鳥のひとつです。屋根の隙間や軒先に巣を作り、田畑や街なかで群れをなす姿は、古くから日本人の暮らしのすぐそばにありました。この「すずめ」という名前にも、鳥の特徴をとらえた由来が伝わっています。
「スズ」は鳴き声を写した音
「すずめ」の「スズ」は、鳴き声を写した擬声語とする説が有力です。「チュンチュン」と聞こえるさえずりを、古い時代には「スズ」「シシ」のような音でとらえたと考えられています。鳴き声をもとに名づけられた鳥は多く、スズメもその一例とされます。
「メ」は小鳥を表す接尾語
「すずめ」の末尾の「メ」は、鳥、とくに小鳥を表す古い接尾語とされます。「つばめ(燕)」「かもめ(鴎)」など、「〜め」で終わる鳥の名は少なくありません。「スズ」という鳴き声に、この「メ」が付いて「すずめ」になったというのが、一般的な説明です。
「群れる小さな鳥」というとらえ方
「メ」については、群れることや小さいものを表すとする見方もあります。スズメは群れで行動する習性が強く、その姿が名前に反映されたと考えるものです。鳴き声説と群れ説のどちらが先かは定かではありませんが、いずれも小さな鳥の特徴をよく言い当てています。
漢字「雀」の成り立ち
「すずめ」に当てる漢字「雀」は、「小(少)」と「隹(ふるとり=鳥を表す部首)」を組み合わせた字です。「隹」は尾の短い小鳥を意味し、「小さな鳥」をそのまま表しています。漢字の面からも、スズメが「小鳥の代表」として扱われてきたことがわかります。
稲を狙う害鳥でもあった
スズメは人里に暮らすぶん、実った稲をついばむ害鳥としても見られてきました。田んぼに立てる「かかし」は、もともとスズメなどの鳥を追い払うための工夫です。身近で愛される一方、農家にとっては悩みの種でもあった——そんな人との微妙な距離感も、スズメをめぐる言葉や習俗に影を落としています。
ことわざや昔話に残るスズメ
「雀の涙」「雀百まで踊り忘れず」「舌切り雀」など、スズメは数多くのことわざや昔話に登場します。それだけ人の暮らしに近く、観察され、親しまれてきた証拠です。小さくありふれているからこそ、人々の言葉の中に深く根を下ろしました。
鳴き声から取った「スズ」に、小鳥を示す「メ」を添えた素朴な名前——「すずめ」という呼び名には、身近な小鳥を耳と目でとらえてきた、昔の人々のまなざしが今も息づいています。