「玉ねぎ」の語源は"玉の形をした葱" 涙が出る野菜の名前の由来


1. 「玉」+「葱」=球形のネギ

「玉ねぎ」の語源は「玉(たま=球形)」と「葱(ねぎ)」の組み合わせで、文字通り「丸い形をしたネギ」という意味です。ネギの仲間でありながら、葉ではなく球状に太った鱗茎(りんけい)を食べることが名前の由来となっています。

2. 「ネギ」の語源は「根葱(ねぎ)」

そもそも「ネギ」の語源にも諸説あります。「根(ね)」を食べる「葱(き)」で「ねぎ」とする説、「ぬめりのある」を意味する古語から来たとする説などがあります。「葱」という漢字は中国語から取り入れたもので、もともとは長ネギを指していました。

3. 日本への伝来は明治時代

玉ねぎが日本に本格的に伝わったのは明治時代初期です。1871年(明治4年)にアメリカから種子が導入され、北海道で栽培が始まりました。それ以前の日本には玉ねぎはほとんど知られていませんでした。

4. 北海道が生産量日本一

日本の玉ねぎ生産量のおよそ6割は北海道が占めています。特に北見市・訓子府町・置戸町などのオホーツク地域が主要な産地で、冷涼な気候と広大な農地が玉ねぎ栽培に適しています。

5. 涙が出る原因は「硫化アリル」

玉ねぎを切ると涙が出るのは、細胞が壊れたときに放出される「硫化アリル(アリシン)」という揮発性の化学物質が目の粘膜を刺激するためです。切る前に冷蔵庫で冷やしたり、水にさらしたりすると揮発を抑えることができます。

6. 古代エジプトではピラミッド建設の労働食

玉ねぎは世界最古の栽培野菜の一つで、紀元前3000年頃には古代エジプトで広く食べられていました。ピラミッド建設に従事した労働者たちにも配給されていたとされ、体力維持のための重要な食材でした。

7. 英語の “onion” はラテン語の「一つの真珠」

英語の「onion(オニオン)」はラテン語の「unio(ウニオ)」に由来し、「一つの真珠」や「一つの大きな球」を意味します。玉ねぎの丸い層が重なった構造が真珠に喩えられたとされています。

8. 「新玉ねぎ」と「普通の玉ねぎ」の違い

春に出回る「新玉ねぎ」は収穫後に乾燥させずにすぐ出荷されるもので、水分が多く辛味が少ないのが特徴です。通常の玉ねぎは収穫後に表皮を乾燥させて保存性を高めたもので、両者は品種ではなく出荷方法の違いです。

9. 玉ねぎの皮は染料になる

玉ねぎの茶色い外皮には「ケルセチン」という色素が含まれており、草木染めの染料として古くから利用されてきました。玉ねぎの皮で染めると、美しい黄金色やオレンジ色に仕上がります。

10. 「血液をサラサラにする」は俗説に注意

「玉ねぎは血液をサラサラにする」というのはよく知られた説ですが、科学的な裏付けは限定的です。玉ねぎに含まれる硫化アリルには血小板の凝集を抑制する作用が試験管レベルでは確認されていますが、日常の食事量で有意な効果があるかは確定していません。


「丸いネギ」という素朴な命名の「玉ねぎ」。明治時代に日本に伝わってわずか150年ほどで、カレー・肉じゃが・ハンバーグと和洋問わず日本の食卓に欠かせない存在となりました。