「サラリーマン」の語源は塩?給料にまつわる意外な言葉の歴史
1. 「サラリー」の語源はラテン語の「塩(sal)」
英語の “salary” はラテン語の “salarium” に由来し、これは “sal”(塩)から来ています。古代ローマでは兵士に塩を買うためのお金が支給されており、これが「給料」の語源になったとされています。
2. 「サラリーマン」は和製英語
“salaryman” は英語圏では通じない和製英語です。英語では “office worker” や “white-collar worker” と言います。日本で「サラリーマン」が広まったのは大正時代で、月給で働くホワイトカラー労働者を指す言葉として定着しました。
3. 「給料」の「給」は「与える」、「料」は「量る」
「給料」は漢語で、「給」は与える、「料」は量り分けるという意味です。つまり「量って与えるもの」が原義。米や布を現物支給していた時代の名残が感じられます。
4. 「月給」が一般化したのは明治時代
江戸時代の武士の報酬は「俸禄(ほうろく)」で、年単位の米支給が基本でした。「月給」という概念が普及したのは明治時代に入り、官吏や会社員に現金が月ごとに支払われるようになってからです。
5. 「ボーナス」の語源はラテン語の「良い」
“bonus” はラテン語の “bonus”(良い)に由来します。もともと「良いもの、おまけ」という意味で、それが転じて「特別手当」になりました。日本でボーナスが普及したのは戦後の高度経済成長期です。
6. 日本の「賞与」は江戸時代の「餅代」がルーツ
日本のボーナスに相当する慣習は江戸時代からありました。商家が奉公人に盆と暮れに「餅代」「小遣い」として特別な金銭を渡す風習です。現代の夏冬の賞与は、この「盆暮れの餅代」の流れを汲んでいます。
7. 「手取り」の語源は「手に取る分」
額面から税金や社会保険料を引いた「手取り」は、文字通り「自分の手に取れる金額」が語源です。江戸時代の米取引でも、仲介料を引いた後の実質的な受取量を「手取り」と呼んでいました。
8. 「25日が給料日」が多い理由
日本で25日が給料日として多いのは、月末の支払い(家賃・光熱費など)に間に合うよう数日の余裕を持たせるためとされています。また、経理部門が月末に締め作業を行うため、その前に給与処理を終わらせる慣行も影響しています。
9. 「年収」を気にするのは日本的?
欧米では年収よりも時給や週給で報酬を考えることが多く、年収で比較する文化は日本特有の傾向があります。これは終身雇用・年功序列を前提とした日本の雇用慣行と関係しています。
10. 「働く」の語源は「傍(はた)を楽にする」?
「働く」の語源として有名な「傍楽(はたらく)=周囲の人を楽にする」という説は、実は民間語源(俗説)です。実際には「動く」の強調形「はたらく」が語源とされています。美しい話ですが、言語学的な根拠はありません。
塩から始まった「給料」の歴史。言葉の語源をたどると、人類がどのように労働と報酬の関係を築いてきたかが垣間見えます。