「なると」の語源は鳴門海峡の渦潮?ラーメンに浮かぶ渦巻きの由来


1. 鳴門海峡の渦潮が名前の由来

「なると」の正式名称は「鳴門巻き(なるとまき)」で、断面の渦巻き模様が徳島県と兵庫県の間にある鳴門海峡の渦潮に似ていることから名付けられました。白い地にピンクの渦巻きが巻かれた見た目が、海の渦潮を模しています。

2. かまぼこの一種

なるとは「かまぼこ」の一種です。白身魚のすり身を使って作られ、断面に渦巻き模様が出るように成形してから蒸し上げます。かまぼこの中でも装飾性が高い種類で、切り口の模様が特徴的な加工食品です。

3. 製法は意外に手が込んでいる

なるとの渦巻き模様は、白いすり身を薄く伸ばした上にピンク色に着色したすり身を重ね、巻き簀(まきす)で巻いてから蒸すことで作られます。一見シンプルですが、均一な渦巻きを出すには職人の技術が必要です。

4. ラーメンのトッピングの定番

なるとがもっとも馴染み深いのは、ラーメンのトッピングとしてです。特に東京の醤油ラーメンに載せられることが多く、白と赤の渦巻きが丼の中で華やかな彩りを添えています。

5. 静岡県焼津市が主要な産地

なるとの主要な産地は静岡県焼津市です。焼津は全国有数のかまぼこ・練り物の産地であり、なるとの生産量でも大きなシェアを占めています。水揚げされる白身魚を活用した水産加工業が地域の基幹産業となっています。

6. 「鳴門海峡」の語源

なるとの名前の元になった「鳴門(なると)」の地名は、海峡の潮流が激しく音を立てる「鳴る門(なるかど)」が転じたとされています。潮の流れが狭い海峡を通過する際に発する轟音が「鳴る」と表現されました。

7. おせち料理にも登場する

なるとはラーメンだけでなく、おせち料理やうどん、蕎麦、ちゃんぽんなど、さまざまな料理に使われます。紅白の色合いがめでたい印象を与えるため、お正月の料理にも取り入れられています。

8. 漫画やアニメにも「ナルト」

「ナルト」という名前は、漫画・アニメ作品のキャラクター名としても世界的に知られています。作品名の由来はラーメンのなるとであることが公式に語られており、主人公がラーメン好きという設定にもつながっています。

9. ピンク色の着色はかつて食紅

なるとのピンク色は、かつては食紅(しょくべに)で着色されていました。現在ではトマト色素やビートレッド(赤ビーツ由来)などの天然着色料が使われることも増えており、健康志向に合わせた製法の変化が見られます。

10. 「なると」のない地域もある

なるとは全国的に知られていますが、ラーメンのトッピングとして使う習慣は主に関東地方に集中しています。関西のラーメンや九州の豚骨ラーメンにはなるとを載せない店が多く、地域によるラーメン文化の違いを反映しています。


鳴門海峡の渦潮を小さなかまぼこの断面に写し取った「なると」。ラーメンの丼に浮かぶ白とピンクの渦巻きは、海峡の壮大な自然現象を食卓に運ぶ、日本の練り物文化の粋です。