「コロッケ」の語源はフランス語の"クロケット" 明治の洋食革命の主役


1. フランス語「croquette」が語源

「コロッケ」はフランス語の「croquette(クロケット)」が日本語に変化した外来語です。「croquette」は「croquer(クロケ=カリカリと噛む)」に由来し、衣がカリカリと音を立てる料理という意味です。

2. 明治時代に日本に伝来

コロッケが日本に伝わったのは明治時代です。当初はフランス料理のクロケットに近い、ホワイトソースやクリームを使った高級料理でした。フランスのクロケットはじゃがいもではなくベシャメルソース(ホワイトソース)がベースであることが多いです。

3. じゃがいもベースは日本独自の進化

日本のコロッケが茹でたじゃがいもをつぶしてパン粉をつけて揚げるスタイルになったのは、日本独自の進化です。高価なクリームの代わりに安価なじゃがいもを使うことで庶民の味となり、大正時代には広く普及しました。

4. 大正時代「コロッケの唄」で大流行

1917年(大正6年)に流行した「コロッケの唄」は、「今日もコロッケ、明日もコロッケ」という歌詞でコロッケの庶民的な人気を歌い上げました。この流行歌によってコロッケの知名度は全国的に高まりました。

5. 「三大洋食」の一つ

コロッケはカレーライス・とんかつとともに日本の「三大洋食」と呼ばれることがあります。いずれも西洋料理をルーツに持ちながら日本で独自の進化を遂げた料理であり、大正から昭和にかけて庶民の食卓に定着しました。

6. 「クリームコロッケ」はむしろ原型に近い

日本では「クリームコロッケ」は普通のコロッケとは別の料理として区別されていますが、ベシャメルソースを使うクリームコロッケのほうがフランスのクロケットの原型に近い料理です。日本では逆にじゃがいもコロッケが「普通のコロッケ」の地位を獲得しました。

7. コロッケパンも日本発祥

パンにコロッケを挟んだ「コロッケパン」は日本独自の惣菜パンです。大正時代のパン屋が考案したとされ、カレーパンやメロンパンと並ぶ日本のパン文化を代表する存在です。

8. 精肉店のコロッケ文化

日本では精肉店(お肉屋さん)がコロッケを揚げて販売する文化が根付いています。肉の端材やミンチを使ったコロッケは精肉店の副産物として合理的な商品であり、昭和の商店街の風景として多くの人の記憶に残っています。

9. 地域ごとの名物コロッケ

日本各地にはご当地コロッケが存在します。北海道のカニクリームコロッケ、長崎のじゃがちゃん、沖縄の紅芋コロッケなど、地域の食材を活かした独自のコロッケ文化が発展しています。

10. 冷凍コロッケの普及

1960年代から冷凍コロッケが普及し始め、家庭でも手軽にコロッケを楽しめるようになりました。現在では冷凍食品の売上ランキングで常に上位に入る人気商品であり、コロッケは日本の食生活に完全に定着しています。


フランスの高級料理「クロケット」が海を渡り、じゃがいもをまとって庶民の味に生まれ変わった「コロッケ」。カリカリの衣を噛む音は100年以上前と変わることなく、日本の食卓と商店街に響き続けています。