「太もも」の語源は?古語「もも(股)」と「太い」が合わさった体の部位名


太ももとはどこを指すか

太もも(ふともも)は股関節から膝の上までの、脚の上部の部分を指します。人体の中でも最も大きな筋肉群(大腿四頭筋・ハムストリングス)があるエリアで、歩行・走行・跳躍などの運動に重要な役割を果たします。医学的には「大腿部(だいたいぶ)」と呼ばれますが、日常語では「太もも」がもっとも一般的な呼び方です。

「もも(股)」という古語

「太もも」の「もも」は、古代日本語で「股(また)・脚・大腿部」を指した語です。万葉集や古事記にも「もも(腿・股)」という語の用例が見られます。「もも」という語は「もむ(揉む)」「ももひき(股引き)」など、脚・股まわりに関連する語にも残っています。「もも(桃)」という果物の名前は「もも(股・お尻のような形)」から来たという説もあり、語の広がりが興味深いです。

「ふと(太い)」という語の意味

「ふともも」の「ふと」は「太い」を意味する形容詞「ふとい」の語幹です。脚の中でも特に太くて大きな部分を「ふとももの部分」として強調した命名です。同様の命名法として「ふとした(太い・太った)」「ふとっちょ」なども「ふと」を語幹とした語です。「細もも(ほそもも)」という語はなく、「太もも」という語がこの部位全体を指す名前として定着しています。

「大腿部」という漢語との関係

医学・解剖学では「大腿部(だいたいぶ)」という漢語が使われます。「大腿」の「大(だい)」は「大きい・太い」、「腿(たい)」は「もも・太もも」を意味する漢字です。訓読みすれば「おおもも」とも読めます。日常語の「ふともも」と医学語の「大腿部」は同じ部位を指しており、「太くて大きな股の部分」という意味が共通しています。

「もも(腿)」という漢字

「腿」という漢字は「月(にくづき)」と「退」を合わせた字で、「体の後ろ側(退)にある肉(月)の部分」から来ているとされます。脚の後ろ側のイメージが漢字の成り立ちに反映されています。日本では「もも」の漢字として「腿」のほか「股(また)」も使われることがありますが、「股」はどちらかというと股関節・脚の付け根全体を指すことが多く、「腿」が太もも・ふくらはぎを指すことが多いです。

「ももひき(股引き)」と太もも

「ももひき(股引き)」は太ももを覆う下着・作業着で、江戸時代から使われていました。「股(もも)を引き締める(引く)ように包む衣類」という意味から「ももひき」と呼ばれます。現代のタイツ・ステテコに相当するもので、「もも」という語が下肢・股まわりを指す語として根付いていたことを示しています。

太もものダイエット・健康への関心

現代では「太もも痩せ」「太ももトレーニング」など、健康・美容の文脈で「太もも」が頻出します。大腿部は人体最大の筋肉群があるため、筋力トレーニングで最も効果的に代謝を上げられる部位の一つとされています。「太ももを鍛える」ことで基礎代謝が上がるとされ、スクワット・レッグプレスなどのトレーニングが広く行われています。

太もも表現が映す日本語の体の語彙

日本語では体の部位を表す語が多く、「ふともも」「ふくらはぎ」「くるぶし」「こめかみ」のようにその部位特有の形・機能・感触を反映した命名が多く見られます。「ふともも」も「太くて大きな股の部分」という特徴を端的に表した命名で、古語の「もも」が現代語に生き続けている例の一つです。