「絵文字」の語源は"絵の文字" 日本から世界に広がったデジタル表現の由来
1. 「絵で表す文字」が語源
「絵文字(えもじ)」は「絵」と「文字」を組み合わせた日本語で、感情や物事を絵で表す記号を意味します。テキストだけでは伝わりにくい感情やニュアンスを小さな絵で補う発想が名前に反映されています。
2. 1999年にNTTドコモが開発
デジタル絵文字を最初に開発したのは、NTTドコモの栗田穣崇です。1999年にiモード向けに176種類の絵文字セットを制作し、携帯電話のメール文化に革命を起こしました。
3. 日本の携帯電話文化が育てた
絵文字が急速に普及したのは、日本の「ガラケー(ガラパゴス携帯)」文化のおかげです。短いメールで感情を伝えるため、絵文字は日本人にとって不可欠なコミュニケーションツールとなりました。
4. 世界語「emoji」として定着
「emoji」は英語をはじめ世界中の言語でそのまま使われる世界語です。2010年にUnicode(国際文字コード規格)に絵文字が採用されたことで、iPhoneやAndroidなど世界中のスマートフォンで使えるようになりました。
5. 「emotion」+「icon」ではない
英語圏では「emoji」を「emotion(感情)」と「icon(アイコン)」の合成語と誤解されることがありますが、実際には日本語の「絵(え)」+「文字(もじ)」が正しい語源です。偶然の一致が英語話者の理解を助けた形です。
6. オックスフォード辞典の「Word of the Year」
2015年にオックスフォード辞典は「嬉し泣きの顔」の絵文字を「Word of the Year(今年の言葉)」に選びました。文字ではなく絵文字が選ばれたのは史上初のことで、世界的な影響力を示す出来事でした。
7. 絵文字の数は年々増加
Unicode規格の絵文字は年々追加されており、現在では3000種類以上が登録されています。多様な肌の色、ジェンダー表現、各国の文化を反映した絵文字が追加され続けています。
8. 「顔文字」と「絵文字」の違い
日本では「顔文字(かおもじ)」と「絵文字」は別物です。顔文字は文字記号を組み合わせて表情を作るもの(例:(^_^))で、絵文字は独立した小さな画像です。日本はどちらの文化も発展させた国です。
9. 絵文字は文化の違いを映す
同じ絵文字でも文化によって解釈が異なることがあります。日本では「手を合わせる絵文字」は「お願い」や「ありがとう」の意味ですが、西洋では「ハイタッチ」や「祈り」と解釈されることがあります。
10. ニューヨーク近代美術館に収蔵
栗田穣崇がデザインした最初の176種類の絵文字セットは、2016年にニューヨーク近代美術館(MoMA)のパーマネントコレクションに収蔵されました。デジタルコミュニケーションの革新としてアート作品に認定されたのです。
絵で表す文字「絵文字」。日本の携帯電話文化から生まれた小さな絵は、言語の壁を越えて世界中の人々の会話に溶け込みました。一つの絵文字に込められた感情は、千の言葉に匹敵する表現力を持っています。