「駄菓子」の語源は"駄(だめな)菓子"?庶民の味の名前に込められた意味


1. 「駄」は「粗末な・取るに足らない」の意味

「駄菓子」の「駄(だ)」は「粗末な」「取るに足らない」「価値の低い」を意味する接頭語です。「駄作」「駄目」「駄洒落」などと同じ用法で、高級品ではない庶民向けの安価な菓子という意味を表しています。

2. 「上菓子」に対する「駄菓子」

江戸時代、菓子は大きく「上菓子(じょうがし)」と「駄菓子」に分けられていました。上菓子は白砂糖を使った高級な和菓子で、茶の湯や贈答に用いられました。一方、駄菓子は黒砂糖や水飴を使った安価な菓子で、庶民や子どもが日常的に楽しむものでした。

3. 「駄」の語源は荷物を運ぶ馬

「駄」はもともと荷物を運ぶ馬「駄馬(だば)」を意味する漢字です。駄馬は騎乗用の馬より格が低い荷馬とされたことから、「駄」に「価値が低い」「粗末な」という意味が生まれました。

4. 江戸時代の駄菓子屋

駄菓子屋は江戸時代にはすでに存在しており、町の子どもたちが小銭を握りしめて通う場所でした。飴・煎餅・おこしなどが並び、子どもの社交場としての役割も果たしていました。

5. 昭和の駄菓子屋文化

駄菓子屋がもっとも栄えたのは昭和の高度経済成長期です。うまい棒・ベビースターラーメン・ヨーグルト(容器入り菓子)・酢だこさん太郎など、数十円で買える個性的な菓子が子どもたちの文化を形成しました。

6. 一個十円から買える手軽さ

駄菓子の最大の特徴は、一個数円から数十円という低価格です。子どもが自分のお小遣いで買える価格設定は、子どもにとって「自分で選んで買う」という初めての消費体験を提供する教育的な側面も持っていました。

7. 「くじ引き」も駄菓子屋の文化

駄菓子屋では菓子だけでなく「くじ引き」も人気でした。当たりが出ると景品がもらえるくじ付きの菓子は、味だけでなくギャンブル的な興奮も提供し、子どもの射幸心をくすぐる仕掛けとして長く愛されています。

8. 駄菓子屋は減少の一途

全国の駄菓子屋は、少子化・コンビニの普及・後継者不足などにより急速に減少しています。かつては町に一軒はあった駄菓子屋は、現在では珍しい存在になりつつあり、昭和レトロブームの中で懐かしみとともに語られることが増えています。

9. 駄菓子バーや駄菓子カフェの登場

大人の懐かしさを満たす場として「駄菓子バー」「駄菓子カフェ」が都市部に登場しています。昭和の駄菓子を肴に酒を飲むスタイルが人気を集め、子ども時代の文化が大人の娯楽として再生されています。

10. 「駄菓子」の「駄」は愛称でもある

「駄」は本来は否定的な接頭語ですが、「駄菓子」においてはむしろ親しみと愛着を込めた表現として機能しています。高級ではないからこそ気軽に楽しめる、そのカジュアルさこそが駄菓子の魅力であり、「駄」の字はその象徴です。


「粗末な菓子」を意味した「駄菓子」。しかし子どもたちの目には、十円玉で買える小さな菓子は宝物のように輝いていました。名前に「駄」がつきながらも、日本の子ども文化を半世紀以上にわたって支えてきた偉大な存在です。