「万歳」の語源は"万年の歳"?両手を上げる祝いの言葉の由来
1. 「万年の歳を祝う」が語源
「万歳(ばんざい)」は「万(ばん=一万)」と「歳(ざい=年齢・年)」の組み合わせで、「一万年もの長い歳月を生きられますように」という長寿と繁栄の祝福が込められた言葉です。
2. 中国の「万歳(ワンスイ)」が起源
「万歳」は中国語の「万歳(ワンスイ)」に由来します。中国では皇帝に対する祝福の言葉として使われ、「万歳万歳万万歳」と三唱するのが正式な形でした。この風習が日本に伝わりました。
3. 日本で広まったのは明治時代
日本で「万歳」の唱和が広まったのは1889年(明治22年)、大日本帝国憲法の発布式がきっかけとされています。天皇の馬車に向かって群衆が「万歳」と叫んだのが始まりで、以後国民的な祝いの掛け声として定着しました。
4. 当初は「万歳」か「奉賀」かで議論があった
憲法発布式で使う祝いの言葉として、「万歳」のほか「奉賀(ほうが)」も候補に挙がりました。最終的に「万歳」が採用されましたが、馬が驚くという理由で「ばんぜい」ではなく「ばんざい」の発音が選ばれたという逸話もあります。
5. 両手を上げるのは日本独自
「万歳」の際に両手を高く上げるジェスチャーは日本独自のものです。中国の「万歳」には特定のジェスチャーはなく、両手を上げる動作がいつ・なぜ始まったのかは明確にはわかっていません。
6. 「万歳三唱」が正式な形
「万歳」は三回唱えるのが正式な形で、「万歳三唱」と呼ばれます。一人が「万歳」と発声し、全員がそれに合わせて両手を上げて「万歳」と唱和するのを三回繰り返します。
7. 「お手上げ万歳」は降参の意味
「万歳」は祝福だけでなく、「お手上げ」「降参」の意味でも使われます。「もう万歳だ」は「もうどうにもならない」の意味で、両手を上げる動作が「降参」のジェスチャーと重なることから生まれた用法です。
8. 漫才の「万歳」
日本の伝統芸能「漫才(まんざい)」はもともと「万歳」と書かれていました。正月に家々を回って祝福の言葉を述べる門付け芸「万歳」が、二人組の掛け合い芸として発展し、現在の「漫才」になりました。
9. 「バンザイ」は英語にもなった
「banzai」は英語にも入った日本語で、第二次世界大戦中の日本軍の突撃の際の掛け声として知られるようになりました。英語では勇猛さや無謀さのニュアンスで使われることがあります。
10. 現代の「万歳」は多様な場面で
現代では「万歳」は選挙の当選、スポーツの勝利、結婚式、忘年会など、さまざまな祝いの場面で使われています。形式的な「万歳三唱」から、喜びの自然な表現としての「やったー、万歳!」まで、使い方は幅広くなっています。
万年の長寿を祝う「万歳」。中国の皇帝への祝福から、明治の憲法発布式を経て、令和の結婚式や宴会まで。両手を高く上げるこの動作は、喜びを体全体で表現する日本人の祝い方の象徴です。